挑戦する、失敗はリスクではない!_2/2

~災害リスク情報事業を手掛ける会社社長の「挑戦のすすめ」~
株式会社Spectee
代表取締役CEO 村上 建治郎 氏

災害対応にとどまらない、スペクティの新たな挑戦

Q:2011年の創業から12年、主要サービスである「Spectee」のリリースからは10年目という節目のタイミングかと思います。今後、注力していきたい事業領域などありますか?

スペクティは、防災や危機管理がメインの事業で、これは今後も変わりません。
日本は、これから南海トラフや首都直下型をはじめ大きな地震が起きるかもしれないし、災害リスクは年々高くなっています。そういった中で、スペクティではまだまだやれていないことはたくさんあるので、これからももっと加速してやっていかなきゃいけないという思いがありますね。
また、スペクティでは企業のサプライチェーンのリスク管理にも力をいれています。
例えば、自動車を製造することを例に上げると、その自動車には様々な部品が使われていて、それを作っている別の会社や工場があります。災害が発生した際、そのどこかが被災すると、部品が調達できなくなり自動車が作れなくなってしまいます。
このようなリスクは、自然災害だけではなく大規模な事故や海外では戦争などがあり、それによって企業活動が止まる可能性があります。企業が「自社の事業リスクをいかに軽減させるか」、世界中で起こり得るリスクから被害をなくすためのソリューションの提供を進めています。

技術を活かして、フィリピン進出も

海外進出も視野に入れて、調査や現地パートナーとの協議も進めています。災害大国である日本の防災技術は世界でも強みを出せる分野の一つです。この技術をもっと海外に出していきたいと思っています。

Q:防災について、日本と海外で一番違う部分はいうのはどういうところでしょう?

一番は「意識の違い」ですね。
日本人はなんだかんだで防災に対する意識は高いです。「いつか地震が来るだろう」という思いは少なからず持っていて、何かが起きたときの災害へのリテラシーは高いと思います。
でも、フィリピンは全然違います。フィリピンって実はすごく災害が多いんです。台風も来るし、地震も起きる、火山噴火もあります。でも、それによって防災の技術や意識が上がるかというと、必ずしもそうではないです。
2013年に台風「ヨランダ」がフィリピンに直撃して、8000人もの人が亡くなる被害がありました。海に囲まれているため、高潮で沿岸の住宅などが流され、大勢が亡くなってしまったんです。その後、国は被害のあった沿岸エリアを、「住んではいけない地域(Non Residential Area)」と規制したんですね。しかし、2、3年経つと、みんな住み始めるんです。国が規制して「住んではいけません」と看板に書いているにも関わらずです。
日本だったら、過去に被災して制限されている危険なエリアに勝手に家を建てるなんてことは絶対しないじゃないですか。でもフィリピンはそんなことなくて、もはや無法地帯になっています。この辺の意識がすごく異なっていて、国の違いはやっぱりあるなと感じています。

求める人材は「防災の領域で社会に貢献したい人」

Q:ここまで記事を読んで、スペクティで働いてみたいと思ってくれた学生もいるかと思うのですが、貴社が採用で求めている人物像を教えてください。

インターンから新卒でスペクティに入社する人たちもここ数年で増えています。スペクティは防災や危機管理に関わる会社なので、入ってくる人たちには「社会に貢献したい」という想いが強い人が多いです。
特にインターンから入ってくる人たちは、そういう人が多くて、まさに去年から入ってきたメンバーには「能登に毎週・毎週、ボランティアに行っています」という人もいます。そういった「社会貢献したいという想いが強い人」がスペクティに向いているし、そういう方に入ってきてもらいたいです。
単に仕事をしますとか働きやすいとか、そういうこと以上に、「自分のやっていることが社会に貢献しているんだ」という部分に重点をおいて仕事をできる人が向いているかなと思いますね。

未来を担う大学生へメッセージ

Q:最後になりますが、本企画は「起業やスタートアップ就職、スタートアップでのインターンに関心を持つ大学生の読者」が、注目企業の社長から成功法則を学ばせていただくという企画になっております。読者の学生に向けて、メッセージをお願いします。

若ければ若いほど、動いたもん勝ちだと思います。私はアメリカに行きましたけど、なるべく安全な方向に行くというよりは、何かやりたいと思ったことや、挑戦したいと思ったときに、まずは行動に移すことが重要だと思います。特に起業もそうだと思います。私は37歳で起業したのですが、正直遅いです。
私はたまたまなんとかなりましたけど、だいたい皆さん37歳くらいになると家族がいて、子供もいたりして、失敗したら家族が食べていけなくなってしまうので、そのくらいの年齢になるとリスクが大きすぎて動けなくなっちゃうんですよ。自分がこれをやりたいと思っても、なかなか「会社辞めます!」みたいなことは出来なくなってしまいます。
その辺を考えずに動けるのは20代など若い方がいいです。自分1人だったら、仮にうまくいかなかったとしても、なんとかなります。ダメだったらまた就職すれば良いですし、今は起業を経験して就職したいとなったら、普通に新卒で入るよりも高い評価をしてくれる会社がいっぱいあると思います。なので、動けるときに動くのが良いと思いますね。
起業は失敗するリスクもすごく高いと思いますが、あまりそこを考えずに動いた人の方が、絶対に成長すると思うんです。とにかく自分が「これがしたい」と思ったら、できるだけ早く動いた方が良いと思います。

▼Spectee 村上代表のインタビュー第一弾はこちら▼

今回お話をお伺いしたのは・・・

株式会社Spectee
代表取締役CEO 村上 建治郎 氏
1974年 東京都生まれ
米国 ネバダ大学 理学部 物理学科卒
早稲田大学大学院 商学研究科 修了(MBA)

ソニー子会社にてデジタルコンテンツの事業開発を担当。その後、米バイオテック企業にて日本向けマーケティングに従事、2007年から米IT企業シスコシステムズにてパートナー・ビジネス・ディベロップメントなどを経験。
2011年に発生した東日本大震災で災害ボランティアを続ける中、被災地からの情報共有の脆弱性を実感し、被災地の情報をリアルタイムに伝える情報解析サービスの開発を目指し株式会社Specteeを創業。著書に「AI防災革命」(幻冬舎)

 

“危機”を可視化する
社会のレジリエンスを高め、持続可能な世界の実現へ

「”危機”を可視化する」をミッションに、SNSや気象データ、カーナビ情報や道路カメラなどのさまざまなデータから災害やリスク情報を解析し、被害状況の可視化や予測を行っています。
AIリアルタイム防災・危機管理サービス『Spectee Pro』は、SNSや気象情報、自動車のプローブデータ、ライブカメラなどを解析し、世界で発生する災害や危機を、迅速に収集、可視化、予測することができ、災害対応や危機管理、物流やサプライチェーンのリスク管理などを目的に、官公庁、自治体、報道機関、交通機関、通信会社、メーカー、物流、商社などに導入いただいています。

また、2023年11月には製造業向けのサプライチェーン・リスク管理サービス『Spectee Supply Chain Resilience』の提供を開始しました。製造業などのサプライチェーンを見える化するとともに、SNS・気象データ・全世界のローカルニュースや地政学リスク情報など様々なデータをリアルタイムに解析し、サプライヤー周辺で起こる危機を瞬時に覚知し、サプライヤーの被害状況や製品への影響、納期の遅れなどを迅速に把握することが可能になります。

会社名:株式会社Spectee
所在地:東京都千代田区五番町 12-3

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